【トヨタ プリウス】は省燃費性能を誇りますが、性能を維持して長く乗り続けるにはエンジンオイルのメンテナンスが不可欠です。
プリウスの省燃費はハイブリッドシステムだけではなく、組み合わされる省燃費エンジンがあってこそです。
エンジンオイルの点検・交換を怠れば、そのエンジンが不調をきたし本来の性能を発揮出来ずに燃費が低下するだけではなく、最悪エンジンが動かなくなるなど故障の原因になりかねません。
ここではオイル交換の必要性とプリウス用として推奨されているエンジンオイルの種類、そしてオイル交換費用について取り上げていきます。
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【プリウス】エンジン不調にならない為に。きちんとオイル交換
エンジンオイルの交換時期ですが1万5,000km、または1年が目安であり、12ヶ月点検の時にエンジンオイルを交換するように心懸けましょう。
とエンジンルームにも書いてあったりしますが、私がプリウスを整備していて実感として、15000㎞はちょっと長すぎるような気がします。
ハイブリッド車はエンジンとモーターを組み合わせて走るのだから、エンジンの負担は少ない。
だから、オイル交換も頻繁にしなくても良いという噂も聞いたことがあります。
ただ、10000㎞ほったらかしにしてあるプリウスをオイル交換してみると、あきらかにオイルが真っ黒すぎてちょっと酷使しすぎなんだろうなぁと感じます。
あくまで普段からプリウスの整備をしている私の個人的な意見で反対意見もあるでしょうが、私のおすすめはズバリ5000㎞!
5000㎞毎にエンジンオイルを交換し、10000㎞毎にオイルエレメント(フィルター)も交換すると良いと思います。
なお、普段チョイ乗りばかりだとか、アップダウンの多い山道など過酷な走行が多いという場合にはもう少し早いタイミングでもいいかもしれません。
走行状態に合わせた汚れ具合の確認によって距離・期間に達していなくても交換するようにしましょう。
エンジンオイルの主たる目的に「エンジンの潤滑」があります。
オイルが潤滑していく事でエンジン各部が動作しやすくしているのです。
走行の度にエンジンを構成する金属間の摩擦が発生し、この摩擦によってオイルの潤滑性能が日々低下しまていきます。
また、エンジン内部で燃料の燃焼時に発生する煤や金属摩耗粉、また燃料に混じる水分が混入していくなど様々な要因でエンジンオイルは劣化していきます。
日々乗っていると感じにくいのですが、エンジンオイルが劣化した状態で走行していると明らかにエンジン性能が落ちてきます。
こうした状況を把握するために定期的にエンジンオイルの汚れや量を確認し、必要であれば補充や交換を行う事が不可欠です。
『最新の車ではエンジンオイル交換は不要』などという都市伝説紛いな事を主張する方もごく希に居られますし、車の仕組みに疎い方はガソリンと何が違うのか理解していないという方も居られます。
車という乗り物は高い買い物です。
特にプリウスの場合300万円以上です。
その性能を維持し続けるためにはこまめなエンジンオイルのチェック・交換が不可欠です。
また先にも記載しましたが、エンジンオイル交換時には同時にオイルフィルターの確認・交換をするようにしましょう。オイル交換2回に1回の交換が目安となります。
フィルターは大体2000円前後で交換出来ると思います。
エンジンオイルに混入した不純物を取り除く役目を持つオイルフィルターは、長期間使っているとオイル内の不純物を除去できなくなり、オイルの性能低下が早まるだけでなく、フィルター自体が詰まってしまいます。
【プリウス】に合うオイルは?どのくらい量が入るの?
引用:https://newsroom.toyota.co.jp/jp/detail/17572004
プリウスの場合、トヨタが推奨しているエンジンオイルはAPI規格SN/RC適合の『0W-16』『0W-20』『5W-30』という種類のものになります。
新車時には『0W-16』という最も省燃費性に優れるエンジンオイルが使われています。
これらは-20℃から40℃以上の過酷な環境でも正常に動作を保証しているオイルです。
このうち『0W-16』『0W-20』はエンジンオイルとしては粘度が柔らかい部類となり、ハイブリッドカーの省燃費エンジンを守るために超低粘度のものがメーカー推奨品となっています。
『W』の左の数値が低温時のエンジン始動特性を示しており数値が小さいほど冬場や寒冷時でのエンジン始動が容易となります。
右側の数値は高温時の粘度特性を示しており数値が高いほど粘度が高く、高速走行や重負荷走行に適しています。
この3種類以外のエンジンオイルでも大きな問題は無いようですが、冷温時や最近の真夏のように連日40℃近くになるような場合には燃費が悪化する傾向があります。
ディーラーやカー用品店によっては一般的なガソリン車で使われている『5W-30』を奨めてくる場合があります。
こちらの方が若干価格が安く、他車種で使われているためディーラー・カー用品店等での在庫が豊富であるために奨めてくるのですが、通常の環境では問題の無いエンジンオイルです。
高速道路や山道などの走行が多いという方にはお奨めのオイルです。
しかし走行環境によっては燃費悪化に繋がる場合があります。
特に冬場が冷温となる地方の方は『5W-30』よりも『0W-16』『0W-20』を選んだ方が良いでしょう。
燃費を優先するなら最初に入れられている『0W-16』を選んでおくと良いでしょう。
トヨタが「アクア」移行のハイブリッド車に導入された種類のもので、エンジン自体がこの低粘度オイルを使うことを前提に設計されています。
中でも『トヨタ純正キヤッスル SN 0W-16』はトヨタがハイブリッドカー用に自社開発した製品で「カムリ」発売に合わせて市場に投入されました。
少し前ではメーカー純正品しか選択肢がありませんでしたが、最近ではカストロール、モービルなどのオイルメーカー製品が市販されています。
しかし、プリウスの場合はトヨタハイブリッドカー専用に度重なるエンジン試験と実走行テストの末に開発した“専用品”ですので、『トヨタ純正キヤッスル SN 0W-16』を選んでおくのが良いでしょう。
純正品だからといって、オイルメーカー製品よりも劣る中途半端な製品ではありません。
オイルメーカー製品は各メーカーのどの車種でも動く事を目指した汎用品ですのでオイルメーカーとしての経験と実績に基づいて開発された高性能品であっても専用開発されたものより劣る面があります。
次に交換時に必要となるエンジンオイルの量。
エンジンオイルの量は3.9Lとなります。
オイルフィルター交換時には4.2Lが必要となります。
エンジンオイルはだいたい4L缶での販売となりますので4L缶を1缶買えばよいわけです。
【プリウス】一回のオイル交換にかかる費用はこれくらい
引用:https://nitifilter.com/ja/
1回の交換で上記の通り約4L必要となってきます。
エンジンオイルには幾つもの銘柄・グレードがありますが、プリウスの場合はエンジンを高回転域で酷使するような車ではありませんので大排気量高級車用やスポーツカー用などの車種のように高級銘柄にこだわる必要性はありません。
こだわるとすれば、上記のエンジンオイルの種類(粘度)です。
メーカー純正品の「トヨタ純正キヤッスルモーターオイル SN 0W-16」が4L 4,000円程度です。
ディーラーでのメンテナンスを行っている方はそのままメーカー純正品で、カー用品店での交換という方は同等性能のオイルを交換すると良いでしょう。
一回のオイル交換でのオイル代の目安としては工賃込で4,500円~5,000円といったくらいです。
他の点検と込みでの交換とした方が工賃を抑える事が出来るのと車の整備時間をまとめることが出来ますので走行条件にもよりますが法定点検に合わせた交換作業がお奨めです。
またオイルフィルターを交換する場合はオイル交換費用とは別に2,000円程度のパーツ費用・交換費用が加算されます。
これも単独での交換では無く他の作業と同時に行った方が良いでしょう。
エンジンオイルの状態の確認・交換作業に関しては6ヶ月点検・12ヶ月点検など他の点検項目とあわせた定期的な点検をディーラーやカー用品店等に交換時期の管理を含めて依頼するのがお奨めです。
ディーラー・カー用品店共に専用の点検簿などを用意してくれ交換日・交換量・交換時走行距離などを記録してくれます。
また、スマートフォンの給油記録アプリなどでエンジンオイルの交換日・費用を含めたメンテナンス記録を残していき日々手元でチェックしていくようにすれば、前もってメンテナンス費用を予算として用意しておくことも出来ますのでスマートフォン用アプリの導入をお奨めしておきます。
愛車の消耗品、交換時期情報だけではなく運転免許の更新時期も管理出来、時期が来れば通知してくれる「カーライフマネージャ」機能があるのでメンテナンス時期を逃しません。