トヨタ 新型プリウスを【KINTO】で購入すると、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
2023年1月に、待望のフルモデルチェンジが行われた新型プリウスですが、今回のモデルではトヨタ車として初めての試みとなるKINTO専用車が設定された点も大きな話題となりました。
このKINTOとは、現在トヨタが最も力を入れている新しい自動車の購入方法ですが、実際には通常の現金やローンでの購入方法とどのような点が異なるのか、またはKINTOを利用する事で発生するメリットやデメリットがよく分からないと言う方も多いはずです。
そこで今回は、新型プリウスで設定されるKINTO専用グレードの詳細やKINTOを利用するメリットとデメリットなどの紹介などを中心に、トヨタ・新型プリウスとKINTOでの購入について解説をしていきます。
Contents
新型【プリウス】KINTOでしか手に入らないグレード
新型プリウスは、歴代モデルの大ヒットを受け2023年1月に5代目となるフルモデルチェンジが行われ、歴代モデルとは大きくコンセプトが異なった外観デザインや、ハイブリッド車でありながらもスポーツ車並の走行性能となった点も大きな話題となりました。
これに加え、新型プリウスではトヨタ車として初めの試みとなるKINTO専用グレードが設定された点も1つの特徴ですが、KINTOと言うサービスやなぜ専用グレードが設定されているのかイマイチ分からないと言う方もいらっしゃると思いますので、まずはKINTOと専用のグレードについて説明をしていきます。
KINTOとは、新型プリウスを製造・販売するトヨタが現在最も力を入れている自動車のサブスクリプションサービスとなり、スマートフォンやパソコンなどで利用することのできる動画配信サービスと同じく、月額費用を支払い自動車を手に入れる事のできるサービスです。
毎月ごとに決められた費用を支払っていく点は、従来型の自動車ローンや残価クレジットでの購入方法と同じですが、KINTOの場合は月額費用の中に
- 車両本体の月額使用料
- 法定・検査費用
- 専用の任意保険料
- オイル交換や故障時のメンテナンス費用
などが全て含まれた料金体制となっており、予め自動車を利用する期間を設けてそれに応じた使用料を毎月支払っていく点が他の購入方法との大きな違いとなります。
また、今回フルモデルチェンジが行われた新型プリウスには一般販売向けの車両として
- フラグシップモデルのZグレード
- スタンダードモデルのGグレード
- KINTO専用モデルのUグレード
の3種が設定されており、この中でもZとGグレードは先に紹介したKINTOでの購入も可能となっています。
一方、UグレードについてはサブスクリプションサービスとなるKINTOの中でも、新型プリウスから新たに設定された『KINTO Unlimited』というサービスのみで手に入れる事のできる、専用グレードである点が特徴です。
このKINTO Unlimitedとは、従来型KINTOのサービス内容に加え納車後も車両を進化させられる点が1つのポイントとなっており、具体的な内容としては
- ソフト面のアップグレード
- ハード面のアップグレード
- 通信によるドライブサポート
- 通信による適切なメンテナンス
を、納車後も受ける事が可能となります。
イマイチどのような内容なのか想像がつかないと言う方も多いと思いますが、例えばソフト面のアップデートでは、後にマイナーチェンジモデルが販売され燃費面等で現在の車両と差が出る場合は、システムを更新する事で後継モデルと同じ性能に近づける事が可能となります。
これに加えハード面のアップグレードでは、新車購入時のみ選択が可能となっているメーカーオプション品を納車後でも追加する事ができ、のちのモデルで新たな安全機能などが搭載された際は、Uグレードであれば新たに装備が可能という仕組みになっています。
このため、モデルチェンジよって機能差が発生するごとに自動車を買い換える必要は無く、KINTOで契約を行った期間は常に最新の機能を保てる点が、KINTO Unlimited専用となるUグレード最大の特徴です。
さらに、KINTOで選択が可能な3つのグレードでは、穴開けなどの加工を伴うエアロパーツの装着は原則として禁止されていますが、ZとUグレードでは外装パーツが標準装着されたモデリスタ仕様も設定されていますので、カスタム車が好みの場合はこちらの選択がおすすめです。
ちなみに、KINTOでは予め自動車の使用期間を購入者が決めた上で月額費用を支払っていく仕組みとなりますが、KINTO Unlimited専用となるUグレードの月額費としては最長7年までの契約が可能な『初期費用フリープラン』の場合
新型プリウスUグレードの月額費用例:初期費用フリープランの場合 | |||
グレード/契約年数 | 3年 | 5年 | 7年 |
Uグレード | 22,440円~ | 19,030円~ | 16,610円~ |
Uグレード(モデリスタ仕様) | 31,680円~ | 25,190円~ | 22,110円~ |
※ボーナス払い165,000円を選択の場合 |
となります。
また、途中解約時に費用が不要となる『解約金フリープラン』の場合では、基本的に3年の短期契約となりますが、再契約を行う事で最長7年まで乗ることが可能となっており、具体的な金額としては
新型プリウスUグレードの月額費用例:解約金フリープランの場合 | |||
プラン/契約年数 | 3年 | 5年 | 7年 |
Uグレード | 44,440円~ | 再契約で最長7年まで利用可能 | |
Uグレード(モデリスタ仕様) | 52,580円~ | 〃 | |
※申込金247,940円~296,780円が必要 |
となり、冒頭でも触れた通り月額費用の中には車両本体の価格とメンテナンス費や法定点検費用に加え、任意保険料も全て含まれている事を考慮するとKINTOの利用は、ランニングコストを大きく抑える事ができる自動車の所有方法だと言えるでしょう。
このように新型プリウスで設定されるUグレードは、サブスクリプションサービスとなるKINTO Unlimited専用グレードとして設定され、納車後も車両の機能をアップデートしていくことが可能なほか、外装パーツを装着したモデルも設定されていますので他のグレードと装備内容や購入方法を比較する際の参考にしてみて下さい。
新型【プリウス】KINTOを利用することによるメリット・デメリット
前述した通り、フルモデルチェンジが行われた新型プリウスには一般販売向けとして3種のグレードが設定されており、このうちUグレードについては後々のアップグレードに対応したKINTO専用モデルであることが分かりました。
また、新型プリウスを含むKINTOを利用しての自動車の購入は、車検などの法定費用やメンテナンスに関する費用が月額費に含まれる事から、購入後のランニングコスト抑えられる点も魅力です。
ただし、KINTOは2019年1月に始まった比較的に新しいサービスとなる事から、他にはどのようなメリットとデメリットがあるのか気になる方もいらっしゃると思いますので、ここではKINTO利用する事によるメリットとデメリットを紹介していきます。
KINTOを利用することによるメリット
前の項目でも触れた通り、KINTOでは月額利用料の中に
- 車両本体の月額使用料
- 法定・検査費用
- 専用の任意保険料
- オイル交換や故障時のメンテナンス費用
等のメンテナンスや各種諸費用が含まれていることから、故障や点検時にまとまった大きな金額を用意する必要は無く、燃料費こそ購入者負担ですがその他のランニングコストや導入費用を大きく抑えられる点は大きなメリットです。
また、定期点検や修理などのメンテナンスは新型プリウスに詳しい正規販売店の整備士によって行われるため、安心感がある点も大きなポイントと言えます。
2つ目は、納期が短いと言う点です。
KINTOは、サービスの充実化と拡大を目的として現在はトヨタが最も力を入れている事業となり、新型車においてはKINTOからの注文を優先的に受け付ける生産ラインが設けられています。
これに加えて、新型プリウスのモデルチェンジから始まったKINTO Unlimitedでは、専用グレードが設けられており購入者に対し、通常よりも早い納期を可能としている点も1つの特徴です。
現にフルモデルチェンジが行われた新型プリウスの一般販売向けとなるZとGグレードでは、既に納期が1年以上となっているのに対しKINTOではZとGで概ね9ヶ月程度、KINTO Unlimitedのみで選択可なUグレードは最短で1ヶ月半の納期を可能としている点は、大きなメリットの1つに挙げられます。
3つ目は、生活環境の変化に応じて乗り換えが可能と言う点です。
KINTOでは、プランによって異なるものの基本的には、購入者が3年/5年/7年と利用期間を予め決めて契約を行います。
そのため、短期間での乗り換えも容易となっておりお子さんの成長や仕事の都合、ご両親との同居など生活環境の変化に応じて車種を変更できる点は、KINTOを利用する上で魅力的だと言えます。
最後の新型プリウスをKINTOで購入する際のメリットは、店舗に出向く必要が無いと言う点です。
通常、自動車の購入は販売店を数回に渡って訪れ商談を行いますが、KINTOの場合はパソコンやスマートフォンを使用しインターネット上で契約を行うため、見積もりや値引きなどの商談を行う必要は無く、自由な時間と場所で契約を行える点は効率的と言えます。
加えて、KINTOでは車両の注文から納車まで、現在所有している車を下取りまたは買い取りしない場合は一切販売店を訪れる必要がありませんので、自動車販売店特有の雰囲気や勧誘が苦手という方でも気軽に自動車を手に入れられる点は大きなメリットだと言えるでしょう。
KINTOを利用することによるデメリット
新型プリウスでKINTOを利用するメリットは、ランニングコストを抑えられる点や納期を大幅に短縮されられるなどが挙げられますが、KINTOには利用をする事によって通常購入とは異なるデメリットも幾つか存在します。
その中でも最も大きなデメリットとなるのが、最終的に契約を行った車両は返却しなければならないと言う点です
KINTOはサブスクリプションサービスであるため、月額使用料を支払えば自動車を安く導入する事ができますが、大まかな形態としてはカーリースに近いシステムとなるため、残価クレジットの様に支払い途中で車両を買い取ることはできず、必ず返却をしなければなりません。
これに加えKINTOでは、契約期間中に走行を行う事のできる距離も月間の平均で1,500km以内に制限されており、新型プリウスを含むトヨタ車の場合1kmあたり11円が超過分として請求されるため、将来的な買い取りや長距離走行が多い方にとってはデメリットとなります。
2つ目は、原状回復による返却が求められると言う点です。
KINTOでは車両価値の低下を防ぐ試みとして、契約満了時には自動車を原状回復(契約時と同じ状態)で返却しなければならない制度が設けられています。
例えば新型プリウスの場合、KINTO専用モデルであるUグレードを選択する事が可能ですが、通常は販売店で装着を行う事のできるエアロパーツを後付けとして装着してしまうと、装着に伴いバンパー部分などへ穴開けの加工を施さなければなりません。
先に説明した通り、車両の返却時は原状回復が必要となるため後付けの外装パーツは取り外さなければなりませんが、これと同時に施工で必要な穴開け部分も元に戻さなければならず、結果としてバンパーそのものを交換する必要があり、高額な修理費用が必要となる訳です。
もちろんKINTOで設定される新型プリウスの中には、予めエアロパーツ装着済みのグレードも用意されているためこちらを選べば特に問題はありませんが、通常購入と比較してカスタマイズの幅が狭くなっている点はデメリットの1つと言えるでしょう。
3つ目は、任意保険がKINTO専用となる点です。
KINTOでは月額費用の中に、メンテナンス費や任意保険料なども含まれていますが、こちらの任意保険は個人で選択を行う事ができず、KINTOが特定の保険会社と専用の契約を行う仕組みとなっています。
そのため、前車までで加入していた任意保険の等級などは引き継がれず、現在加入している保険は中断制度利用し等級を維持する必要があるなど、手続きが複雑になっている部分がある点はデメリットの1つと言えるでしょう。
ただ、KINTO専用の保険は一般的に保険料が高いとされる若年層でも、それ以外の年齢層と同じ価格となる事から、全ての面でデメリットがある訳ではない無いと言えるため、覚えておくと良いかも知れません。
このように、新型プリウスでKINTOを利用する際は費用や納期と言った面で大きなメリットがありますが、反対に車両の返却や走行距離の制限に加え、原状回復や任意保険などデメリットとなる点も併せ持っていますので、契約を行う場合の参考にしてみて下さい。
新型【プリウス】UグレードとZ/Gグレードの違い
新型プリウスでは、KINTO専用のグレードが設定されておりKINTO自体にサービスにはメリットとデメリットがある事が分かりましたが、実際にKINTO専用となるUグレードと一般販売でも購入する事のできるZ/Gグレードでは、どのような違いがあるのか興味を持っている方も多いのではないでしょうか。
特に昨今の新型車は、グレードの違いによる装備内容に大きな差があるケースも珍しく無いため、予め新型プリウスの場合はどのような違いがあるのか、概要を把握しておきたいところです。
では実際に、新型プリウスのKINTO専用グレードであるUグレードと、通常販売モデルであるZ/Gグレードではどのような違いがあるのでしょうか。
まずは外観部分に目を向けていくと、全体的なボディのデザインや加飾部分はGとUグレードで共通しており、Zグレードの
- フロントロアグリル
- リヤバンパーロア
- センターピラーガーニッシュ
- ホイールアーチモールディング
部分はツヤ有りの塗装となるのに対し、GとUグレードはツヤなし塗装に変更されています。
さらにボディカラーは、
- Z:全6種を選択可能
- G:エモーショナルレッドII、ダークブルーが選択不可
- U:上記 2種が選択可能な代わりに、マスタードが選択不可
となり、グレードによって選択できるボディカラーが異なります。
これに加え、Z/Gでは19インチのアルミホイールが標準装着されますが、Uグレードは17インチのアルミホイール+樹脂製ホイールキャップが採用されている点が、外観部分の主な違いです。
内装部分では、Zに12.3インチの大画面ディスプレイオーディオが装着されますが、GとUグレードでは共に8インチサイズが採用され、電動シートが否搭載となる点も同じとなります。
ただし、Z/Gグレードではシフトノブやドアハンドル部分などにサテンメッキの加飾が施されているのに対し、Uグレードはツヤありのブラック塗装が採用されており、シート表皮も合成皮革や上級ファブリックではなく、通常のファブリック生地となる点が特徴です。
次に走行性能の部分を見ていくと、基本的な足まわりの設計や構造に関しては全てのグレードで共通していますが、Z/Gグレードではレクサス・UXシリーズと同じく、2.0Lのエンジンとハイブリッドシステムが搭載されています。
これに対し、Uグレードには先代4代目となるプリウスと同じく1.8Lのエンジンとハイブリッドシステムが搭載されており、走行性能の面では大きく異なると言えるでしょう。
ただ、UグレードのエンジンはZ/Gと比べ排気量が小さくなっているほか、車両重量も最大で60kg程度軽く設計されている事もあり、燃費面では4.0km/L Uグレードの方が優れている点も特徴として挙げられますので、覚えておくと良いかも知れません。
全体的に見てみると、KINTO専用モデルとなるUグレードはZやGと比べ装備品が簡素化されたエントリーグレードに位置づけられている印象ですが、反対に安全装備や快適機能はオプションとして選択が可能なため、装備品を選べる点では自由度が高い点が特徴だと言えるでしょう。
このように、新型プリウスの中でもKINTO専用となるUグレードは上位モデルとなるZやGグレードと比べ、内外装の装備面や搭載されるエンジンなどの部分で違いがありますので、グレード選びや比較を行う際の参考にして下さい。
新型【プリウス】KINTOでの購入のまとめ
今回は、新型プリウスとKINTOでの購入について解説をしてきましたが、新型プリウスには現在のところ一般販売向けのモデルとして3種のグレードが設定されていますが、このうちUグレードはサブスクリプションサービスである、KINTO Unlimited専用グレードである事が分かったと思います。
さらに、KINTOの利用で新型プリウスを選択するメリットしては、車両自体の導入費用を抑えられる点や納期を大幅に短縮可能などが挙げられる反面、デメリットとして契約満了時に車両を返却する必要がある点に加え、走行距離やカスタマイズに対して制限がある点は覚えておく必要があります。
また、新型プリウスでは現在のところ一般販売向けとして3種のグレードが設定されていますが、KINTO専用となるUグレードとその他のグレードでは、内外装の装備品に加え搭載されるエンジンなどで異なる部分がありますので、比較や契約を行う際の参考にしてみて下さい。
Y:アイキャッチ画像 引用:https://bit.ly/3lCwjbP
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